前頭前野

いわゆる頭のいい人ってどんな人でしょう。もちろん記憶力だけではありません。私たちが行動するときには、行動するための目標や解決しなければならない問題があります。問題解決のため、目標に向かって、次々と行う行動を前もってうまく組み立てられ、そのとおりに実行できる人が頭がいい人だと考えます。うまく行動を組み立てるのに必要なことは、過去に海馬という脳の中に記憶しているところから、情報をピックアップしなければなりません。過去のことを正しく記憶して、それを取り出して役立てられ、外の世界からの刺激を正しく認識できる人が頭のいい人です。

この働きに関係しているのが、ちょうど額の内側、脳の前頭葉の前のほうにある前頭前野と呼ばれるところです。人間では大きく発達し、脳の約3分の1を占めています。前頭前野が働くためには、外からの刺激を受け入れるところ、運動を起こすところ、記憶するところなど、大脳のほとんどすべての場所が関係しています。子どもの脳が大きく発達していくとき、前頭前野は小学生中学年に発達のピークを迎えて、ほぼ大人と同じ大きさになります。いろいろなものや出来事に対して、興味やなぜだろうという疑問を持ち、それらの関係性を理解することにも前頭前野が働いています。前頭前野は、注意を集中させる働きもしています。一つのことに熱中して、やり続けることができるのも前頭前野が働いているからです。注意を集中する能力も練習すれば身につきます。遊びを交え、競争など幼児が興味を持ってできるように仕向けることで、その能力を高めることができます。頭をよくすることは、前頭前野の働きをよくすることですから、外からの感覚刺激と過去に覚えたことをもとに行動を組み立てることが大切です。いろいろなことを体験して、失敗したらそれを改めることなどをくり返すことで、前頭前野が働きます。

洗心道空手ではこの前頭前野のトレーニングを念頭に置き、自らの心身を護ることを目的として、日々稽古に励んでいます。

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